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うたたね♪日記

元・絵本カフェ詩多音オーナーのブログです。 現在は、絵本をつなぐ活動の  心 色~ココカラ~ メンバーとして活躍中!!!

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『MIMI』第36話・雲野詩子

MIMI    -ミミと美海と滝氏について-


      第36話



まだ、ご飯を炊く前だったので米から炊いた。

火にかけている間にいつも通り

お味噌汁を作り(今日は滝氏は食べるか分からないが)

昨日の残りご飯をレンジで温めて、

刻んだ梅干しと白ごまを混ぜ込みおにぎりにした。

これにパリパリの焼き海苔を巻いて完成。


うん、美味しそう。

もちろん私の朝ご飯だ。

お粥の様子を見ながら、

時折、遠くで滝氏が咳をするのを聞きながら、

ゆっくり食べた。




滝氏は毎朝、お味噌汁を一杯とお茶を飲んで出勤する。

たまにおにぎりを作って置いておくと、

ラップに包んで持って行ったりする。

が、お味噌汁と一緒に食べる事はない。

お味噌汁とお茶が彼の朝食なのだ。

なので、私も自動的に朝は必ずお味噌汁。

でも私は、一日中家事に奮闘するため
(滝邸は無駄に敷地も家も広い)

お味噌汁だけでは足りないので、

ご飯やパンも一緒に食べる。大抵、前日の残り物だ。




「お買い物に行ってきますね」


「いってらっしゃい」


と、蚊の鳴くような返事がきこえた。

滝氏にお粥を無理矢理食べさせてから買い物に出た。

プーさんに乗り込んで来たミミを追い出して近所のスーパーへ。

買い物メモを見ながらカートを押して、

ぐるぐる回り買い物をすませた。

帰り道、パン屋さんに寄ってお昼ご飯用に

サンドイッチとメロンパンを買って帰った。



帰宅して滝氏の部屋を覗くと、ちゃんと寝ていた。

今は落ち着いているのか気持ち良さそうな寝息が聞こえたので、

小声で「ただいま帰りました」と言って、

まずは、腹ごしらえ。

という事で、紅茶を淹れて、

買って来たパンをたいらげた。

滝氏の事は取りあえず夜まで放っておく事にして、

朝出来なかった洗濯や掃除に取り掛かった。




4時頃おやつを食べてから夕食の支度をする。

もちろん滝氏は引き続きお粥なので私の分だけである。

夕食を食べる前にお風呂を沸かしてから、

滝氏にお粥を持って行く。

声をかけると返事が返って来たので今は目が覚めているらしい。

お風呂に浸かるだけでも入れないか聞くと、



「・・・・・あー明日じゃダメかな?」


でしょうね。



「そうですか。ではまぁ、りんごジュースでも飲んで下さい。

 それからのど飴とポカリここに置いときますから、

 定期的に飲んでくださいね」


「・・・うん」



りんごジュースを飲み終えるとのそのそとまた寝る姿勢に戻る。

寝間着にしている長袖のT-シャツが汗でしっとりしている。


仕方ない。あとで上半身だけ軽く拭いて着替えさせるか。

あとで。

先に私もご飯を食べよう。

食べ始めるとミミがミャーミャー言いながらやってきて、

餌をせがむ。

私の足元にきちんとお座りして、

餌を出すまで鳴き続ける。

いつもの事だが、どうやって私が食べていることが分かるのだろう。

不思議だ。

食べ終えるとまたサッとどこかへ消えて行った。

デートかな?

最近庭でよく白い猫と一緒にいるのを見かける。メスだと思う。

どこかの飼い猫らしく、赤い花柄の首輪が付いている。

毛の短いすらっとした可愛らしい猫だ。

人間で言えば、小柄な色白美人といったところだろうか。

ミミ、なかなかやるな。




~つづく~






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