『ベーコンとブロッコリーの
トマトクリームパスタ』
オリジナルトマトソースと厚切りベーコン&クリームチーズで作っています。
寒くなって来ました、ほっこり温まる優しい味です
こちらは、今月で終わりになります。
『 ポーク
カレー 』
12/6~の予定です。
豚バラブロックをじっくり煮込んで作りました。
チキンカレーとは、また違って美味しいですよ。
温まるスパイシーな辛さを味わって下さい。
カレー・パスタ共に
丸パンとサラダが付いて900円
プラス300円でデザートセット
コーヒーor紅茶とデザートを召し上がって頂けます。
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昔を思い返すほどまだ生きちゃいないだろ?
まずはここから始まる
人のせいにしてみたり、キレてみたり、嫉妬したり。
自分ってめんどくせぇなって、最近なんとなく思ってる。
本当にやりたいことは何だろう?
なんて今本気になって考える。
答えは、わからねぇ。
ふと、目の前にあるセーターを手に取り
広げられるだけ広げて、その場に置いた。
そしてそのまま畳み直すことなく今いた店を出て行った。
そこは小さなショップの並ぶ人通りの多い並木道。
道行く年齢層は10代から20代
若者ばかりが集まってくる。
流行の服、靴、小物。
センスの良い商品を取り揃え、
明るい笑顔で接客するそれぞれの店の店員達。
一人で店を渡る人。
恋人同士で歩く人達。
群れて歩く学生さん。
走る事を許さない人の波。
目的も無く、流れに合わせて歩く。
何とも無く考える。
さっきの店で手に取ったセーターは何色だったか?
どんな形でどんな毛糸だったか。
覚えていない。
興味など無い。
見る気などもっと無い。
そんなセーターに手を伸ばして何がしたかったのだろう。
無意識に商品を見るふり。
女性のよくやる行為。
軽い舌打ちに憂鬱が漏れる。
足元に揺れるスカートのプリーツを眺めた。
ピンクブラウンのウエスタンブーツは歩みを止めない。
藍紫のひだが踊る。
ショーウィンドウに映る自分、
女の子だなあと不満の意を目に浮かべる。
自ら進んでスカートに足を通したのに、
自分が女の子である事が不満らしい。
5メートルほど先に、
優しい間接照明の灯る小洒落たカフェがあった。
少し休みたかったのかもしれない、
体は自然とそこへ向かった。
窓際を選び、すこし深めに腰を下ろした。
ミルクのたっぷり入った甘いホットコーヒーに口をつけると、
口の中に広がる甘さと、香ばしさと、
体を通っていく熱を感じて全身がほぐれてゆく。
少しずつ少しずつ、
想いを巡らせ始めて、
思考は旅に出る。
幼い頃、男の子になりたかった。
理由は色々あったと思う。
あの頃、男の子は強くて、自由に見えた。
だから、何よりその自由と強さが欲しかったんだと思う。
だけど、ある時から、
そんな事はどうでもいいと思うようになった。
なぜそう思うようになったのか。
それはすぐに思い出せる。
出会い、である。
「信じる」という事を考えていた。
人は信じられない、
自分を嫌いにならない人なんていない。
自分の存在は否定されていると、
心のどこかでずっと思っていた。
だけど
「信じる」って、好きとか嫌いとか、本当とか嘘とか、
そんなことじゃないんじゃないか。
ある時出会った人達は、
私の存在を受け入れてくれた人達だった。
今までも、これからも、信じる事の出来る大切な人々。
彼らは私の大切な部分を感じてくれる。
共に笑い、それぞれの今を生き、未来を語れる。
男でもなく女でもなく、
私という一人の人間の、大切な部分を信じてくれる。
ある時、確信を持ってそう感じた。
ある時、そう、ある時から
スカートを履く事が楽しめるようになった。
だけど、
ついさっき、スカートを履いている自分を見た自分。
どうでもいい事に苛立ちを覚えた。
心に隙間が空いている。
何をしたいのかどうしたいのかがわからずに、
小さな事にまで気を乱してしまっている。
夢でも見ているかの様に迅速に過ぎる毎日。
焦り、苛立ち、寂しさ、
どうにもしようの無い多くの感情が
グツグツぐちゃぐちゃ煮え切らずに、
頭の中を浸食する。
「ある時」そこが過去になってしまって以来、
大切なこと、たくさんの大切なことを、
見失ってしまったのかもしれない。
そんな風に思ってしまう。
だけど・・・
もし、目が覚めたその瞬間から
人生が始まるのなら、
今、目を閉じて、開いたその時から
全てを、新しく懐かしくリセットしてしまっても
いいんじゃないか。
重い瞼を重力に従わせる。
少しずつ視野は狭くなり視界は真っ暗になった。
瞼の奥に残像がちらつく。
浅い眠りの中、世界は霧に包まれる。
足元に一本のコンクリートの道。
1メートル先は霧、真っ白な霧で、前は見えない。
歩いてたはずの二本の足は
動けなくなってしまう。
怖かった。
何かを考える間もなく、眼は見開いていた。
あ、と思った。
見えない先へ進む事を恐れている自分を知った。
気づいてはいたのかもしれない、
けど、認めたく無くて無視していた。
どうしようもなくださくて格好悪い自分を
かき消そうとして消えず
認める事も出来ず。
どうする?行くの行かないの?びびってんの?
くだらねぇ
ふと窓の外の夕景に心を奪われる。
街に、朱金の光が降る。
夕日を見る事の無い街の中で、
切ないオレンジの光は
コンクリートの風景を絵画に変える。
ここではない、海の向こうの遠い街に朝を告げるため、
少しずつけれど素早く確実に
太陽は進む。
進んでいるのは地球か?
地球が回るから、今日が昨日に
明日は、今日になる。
暮れ行く街並を眺め、心がリズムを打ち始める。
残りのコーヒーを飲み干して席を立った。
そうか、自分が動かなきゃ景色は変わらないんだ。
そうか。
左手で店のドアを押し開けると、
夕暮れの少し乾いた風がスカートのプリーツを揺らした。
耳に木々のざわめきを聴く。
さあ、始めようか。
一度だけ振り返り、自分の座っていた席を見る。
向き直って、街を歩き出す。
あの椅子の上で何を考えていたのか、
明確には覚えていない。
ずいぶん長い間座っていたような気がする。
けれど時計の針は、90度しか動いていない。
オレンジは始まりの色だと聞いたことがある。
本当かもしれない。
全身を流れる鼓動の音の変化がそれを実感させる。
進む気力を無くして歩みを止めた自分を
夕暮れは黄昏の歓喜で包み込む。
皮膚から心臓に浸透し
細胞を目覚めさせる。
十分休んだ。迷って、考えた。
一歩ずつ進めばいい。
本当にやりたいこと?
まだ、わからなくていい。
けどもう自分に嘘はつけないでしょう。
心の赴く方へ。
恐怖心は期待と希望になってしまった。
西の空
オレンジの瞳が瞼を閉じるころ
明日への旅装を整えるために
通いなれた家路を歩く。
木製の靴底
奏でる足音を楽しみながら、歩く
歩く。
***おわり***
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